完璧なデータを待たずに公開し、それでも根拠は妥協しない
完璧なデータを待たずに公開しながら、根拠のない数字や断定を避ける。GAOCRAFTがWebプロダクトで実践する公開と検証の考え方を紹介します。
WebサイトやWebプロダクトを作っていると、 「もう少しデータがそろってから公開した方がいいのでは」 と思うことがあります。
情報が足りない。 実測がまだ少ない。 検証も十分ではない。
そう考えているうちに、 いつまでたっても公開できなくなることがあります。
GAOCRAFTでは、 すべてが完璧になるまで待つことを 公開条件にはしていません。
ただし、
「早く公開するためなら、 分からない部分を適当に埋めてもよい」
とも考えていません。
完璧を待たないことと、 根拠を妥協することは別です。
完璧な 状態は、 なかなか やってこない

図:すべての条件が整うのを待ち続けず、今ある確かな情報で何を伝えられるかを考える。
GAOCRAFTが運営する「シーパラ攻略隊」では、 現地で移動時間や観覧時間を測ったり、 公式情報を確認したりしながら Webコンテンツを作っています。
理想を言えば、 必要な実測を何度も行い、 さまざまな条件を比較してから公開した方が 情報は充実します。
でも、現実にはそう簡単ではありません。
現地へ行ける日は限られます。
イベントが開催されていて 予定していた計測ができないこともあります。
天候や混雑によって 同じ条件を再現できないこともあります。
すべてがそろう日を待ち続けていると、 今すでに分かっている有用な情報まで 公開できなくなります。
だからGAOCRAFTでは、
「現時点で、何なら責任を持って公開できるか」
を考えます。
分かっている ことだけで、 先に 価値を 作る

図:確認できた情報の種類を区別し、分かっている範囲で読者に役立つ記事を作る。
独自実測がまだ十分でなくても、 記事そのものを公開できないとは限りません。
公式情報として確認できること。
信頼できる外部根拠があること。
実際に体験して確認できたこと。
すでに独自実測できていること。
それぞれを区別して書けば、 今ある情報だけでも 読者の判断に役立つ記事を作れる場合があります。
大事なのは、
「全部分かっているように見せない」
ことです。
まだ測っていないことを、 測ったようには書かない。
一度しか経験していないことを、 誰にでも当てはまる話にはしない。
公式情報と自分たちの体験を、 同じ種類の情報として扱わない。
足りないものがあるなら、 足りない状態を前提に設計します。
根拠の ない 数字で 穴を 埋めない

図:分からない数字を仮に入力して、判断結果だけを完成させることはしない。
公開を早めるために やらないと決めていることもあります。
その一つが、 分からない数字を仮で入れることです。
たとえば、 おすすめの滞在時間や回り方を出すWebツールを作るとします。
必要な移動時間がまだ測れていないときに、
「たぶん10分くらいだろう」
と仮の数字を入れれば、 見た目だけなら完成させることができます。
でも、その数字が計算に使われるなら、 最終的なおすすめ結果まで変わります。
見た目は完成していても、 判断の根拠がありません。
その状態なら、 GAOCRAFTでは完成とは扱いません。
分からない数字を入れて 機能しているように見せるくらいなら、 その部分は未完成のままにします。
記事と Webツールでは、 公開できる 条件が 違う

図:記事と計算型Webツールでは、未確認情報が結果に与える影響が異なるため、公開条件を分けている。
ここは特に分けて考えています。
記事は、 分かっている情報だけでも 読者の疑問を解決できる場合があります。
たとえば、
公式情報を整理する。
実際に体験したことを書く。
現時点で測れている範囲を示す。
まだ分からない点を明確にする。
こうした形で、 十分に価値を作れることがあります。
一方で、 診断や計算を行うWebツールは、 入力した数字が結果へ直接影響します。
根拠のない数字が一つ入るだけで、 それらしいけれど信頼できない答えを 返してしまう可能性があります。
そのため、
記事は先に公開できる。
でも、診断ロジックは 必要な根拠がそろうまで完成扱いにしない。
同じWebサイトの中でも、 公開条件を一律にはしていません。
小さく 始める ことと、 雑に 作る ことは 違う

図:最初に作る範囲を絞っても、未確認の断定や根拠のない数字は許容しない。
GAOCRAFTでは、 大きなものを一度に作るより、 小さく公開して改善することを大切にしています。
ただし、 「小さく作る」は 「雑に作る」という意味ではありません。
最初の記事数が少なくてもいい。
機能が最低限でもいい。
すべてのデータがそろっていなくてもいい。
でも、
根拠のない数字を入れない。
確認していないことを断定しない。
何が公式情報で、 何が自分たちの体験なのかを分ける。
公開する範囲については、 きちんと説明できる状態にする。
削るのは機能や範囲であって、 信頼性ではありません。
公開は 完成ではなく、 検証の スタート

図:公開は完成ではなく、実際の利用状況を観測して改善を始める地点である。
公開前に考え続けるだけでは、 分からないことがあります。
実際に検索されるのか。
どの記事が読まれるのか。
どこから別の記事へ移動するのか。
作った機能が本当に使われるのか。
こうしたことは、 公開して初めて観測できます。
そのためGAOCRAFTでは、
作る。 公開する。 計測する。 改善する。
という流れを前提にしています。
最初から完成版を当てにいくのではなく、 公開後のデータから 次に直す場所を見つけます。
少ない データから 結論を 急が ない

図:数値が記録された事実と、効果が証明されたことを分け、データが少ない間は観測を続ける。
公開後に数字が見えるようになると、 今度は別の注意が必要になります。
アクセスが1件あった。
クリックが数件発生した。
あるページだけ表示回数が多かった。
数字が出ると、 すぐに意味を付けたくなります。
でも、データが少ない段階では 偶然の影響も大きくなります。
公開直後には、 自分たちが表示確認したアクセスが 混ざっていることもあります。
だから、 数字が出たことと、 何かを証明できたことも分けます。
小さなデータは 「判断材料が増え始めた」と考え、 すぐに成功・失敗を決めません。
公開した あとに、 足りない ものを 足していく

図:公開後に得た根拠を追加し、必要に応じて記事や機能を更新する。
最初からすべてを持っていなくても、 あとから追加できます。
現地実測が増えたら、 記事を更新する。
新しい体験ができたら、 実体験として追加する。
検索データが増えたら、 読者が迷っている場所を見直す。
機能に必要な根拠がそろったら、 未完成だった部分を進める。
公開時点をゴールにしなければ、 最初からすべてを詰め込む必要はありません。
重要なのは、 あとから改善できる状態で 正しくスタートすることです。
完璧を 待たない。 でも、 根拠は 妥協しない

図:分かる範囲を先に公開する一方、根拠のない数字や未確認の断定は避ける。
GAOCRAFTでは、 「まだ完璧ではない」という理由だけで 公開を止めないようにしています。
一方で、
早く公開したいから、 それらしい数字を入れる。
情報が足りないから、 断定してしまう。
完成しているように見せるために、 分からない部分を隠す。
そういう進め方もしません。
今分かっていることは、 今分かっている範囲で出す。
分からないものは、 分からないままにする。
公開して、 実際の反応を見て、 必要な情報を追加していく。
完璧を待たない。
でも、根拠は妥協しない。
GAOCRAFTでは、 その間を探しながら Webプロダクトを育てています。